ご挨拶

 こんにちは。東京大学フィルハーモニー管弦楽団(東大フィル)の2024年シーズン団長をつとめる満田真矢です。

 

 管弦楽オーケストラは、日本で過ごしていて普通に出会うことのできるなかで最大規模の器楽アンサンブルの形ではないかと思います。弦楽器セクションだけで50人近い規模の合奏で、そこに管打楽器が加わるとかなり大人数が息を合わせる必要があります。

 

 われわれ東大フィルは、基本的に週に1回の合奏練習でこの大規模な合奏を組み立てようとしています。多くの大学オーケストラでは、セクションやパート別に練習を重ねてから全体での合奏に移りますが、その部分を個人の技量と努力に任せることとして、演奏を成立させています。

 

 練習日程が少ないことの裏返しとして、東大生から他大生、大学院生まで、他のアマチュアオーケストラに参加していたり、室内楽やオペラをはじめさまざまな音楽に挑戦たりしながら、東大フィルでオーケストラをやりたいと集まってくれた団員たちが多く、大学オーケストラ以外にもパッションを持った、いい意味で「大学オケの人」らしくない人たちとアンサンブルをするのは興味深いことの連続です。また、会話を通じて新しい音楽(や、音楽以外のこと)との出会いも豊富で、大変面白いオーケストラだと思っています。

 

 そしてだからこそ、東大フィル最大の面白さは、そんな多様な人たちが何十人も集まって息を合わせてひとつの巨大な合奏を作り上げようとするひとときにあるのでしょう。普段は違うことを考え、違う音を鳴らす人たちが、演奏会という目標に向けて頭をひねるというのは、オーケストラという大規模合奏だからなせることです。忙しい毎日の中で、東大フィルで演奏すると決めてくれた団員の皆には、感謝の念が尽きません。

 

 加えて、こうして多様な人たちと楽しく演奏を組み立てていけるのは、大学や関連団体の関係者の皆様、エキストラの方々をはじめとした、関わってくださる皆様のおかげです。今後とも、どうかよろしくお願いいたします。

 

 最後に、2024年シーズン前半の演奏会は五月祭(5/18)と第52回定期演奏会(6/23)に予定しております。カール・ニールセンの交響曲をメインに据え、北欧を基調とした素敵なプログラムを用意していますので、足を運んでいただけたら幸いに存じます。

 

東京大学フィルハーモニー管弦楽団 満田真矢

2024年 3月

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